タグ: 東鳳翩山
山口市の北、旭村との境にそびえる秀峰。尾根続きに東西2つの鳳翩山があり、日本海と瀬戸内海の分水界になっている。西鳳翩山は男性的で標高も741mと少し高いが、頂上をアンテナや車道が席巻し、自然が大きく後退した。対する東鳳翩山は女性的な稜線、美しい尖峰、カヤトの山頂や稜線からの展望もよいため人気が高く、ハイカーの姿が絶えない。史料にはコシキヶ岳、方便山などとあり、県風土誌に「方便を鳳翩と書く人があるが、間違いだ」という意味の記載も見られる。
山頂までは東の板堂峠から東尾根を1時間30分で、ショウゲン山を越えると1時間40分である。この板堂峠は、風雲急を告げる幕末、維新の志士たちが走り回った萩往還道、すなわち三田尻と萩を結ぶ街道であった。西の地蔵峠からは40分。天花畑バス停から南尾根の二ツ堂ルートは1時間30分。錦鶏ノ滝からのナマナマルートは知的で熟練者向の新ルートで1時間20分ほど。少々難ルートだが、大滝に始まり、続いて出会う山人の生活跡、採掘坑跡などの歴史の面白さは、その苦労をいやすに充分である。後半は二ツ堂ルートに入って山頂へ。なお山頂から西鳳翩山までは尾根を1時間40分。