タグ: 地倉沼
島根県内の湿地や沼沢地では、赤名の長尾池が知られているが、地倉沼は簡単に立ち寄るという場所ではないせいか、あまり知られていない。火山群に囲まれた広大で神秘的な沼である。地倉山が噴火した際、溶岩が谷をふさいで堰堤の役をしてできたのが沼で、約4万平方メートルの広さだという。
この沼は、満々と水を含んだ姿と、カラカラに乾いて底が見える姿との両方を繰り返す。水は沼の底の隙間から絶えず漏れているそうだから、ザルみたいなもので、長く雨が降らなければ干上がり、岩の細片が敷き詰められた湖底は草原となって、満水時とは異なる景観を呈する。梅雨時のモリアオガエルの産卵期の偉観も知られている。