芦谷隧道を越えて

トンネルを抜けるとそこはわさびの桃源郷だった。

安蔵寺の横道側の麓に芦谷川という沢がある。奥谷登山口に向かう途中の林道分岐地点だ。
亡き父がよく言っていた。
「芦谷にはヤマメやゴギがようけおるんよ。水が綺麗じゃけえの。」
釣り人にとってもここは穴場なんだろう。シーズン中入口に車が止まっているのをよく見かける。
今回は、その芦谷川沿いにずっと伸びている道をできる限り遡ってみました。
カーブミラーやトンネルが存在するところから、公共機関がそれなりのお金をかけて整備した公道である事は間違いない。
しかしこの道に関する資料はネットを探しても全く見つからなかった。もちろん登山記録も。

道の終点近くはあたり一面天然わさびの野原になっていた。これ程までの広範囲のものは初めて見た。道端にまでわさびが自然に生えている。そもそもわさびは、
・水が清流である
・水温が低く保たれている
・日差しが強すぎず、木漏れ日が差すくらいの沢沿い
等の厳しい条件ではじめて生えてくる。この一帯はその条件をこれ程の広範囲で満たしているという事になる。

さすがは安蔵寺だと思った。西中国山地が誇る水森の山だ。
そりゃヤマメやゴギだって気持ちよく泳げるよね。

昭和43年(1968年)明治百年記念事業碑が建っている。
この道はわさび栽培の為ではなく、日原営林署の造林作業道の道だという事がわかった。
父も事業に参加していたのだろうか。この道に呼ばれたような気がしたのは気のせいかもしれないが。
いずれにせよ、自分にとって有意義な山歩きだったという事は間違いありません。

BGM流せます。
※ スマホでギャラリーをご覧の方は、横向きにすると良いかと思います。

登山データ
寸評
登る方へ

距離9.2km 時間3時間20分

最低高度            346m   
最高高度            813m
累計高度(+) 511m   
累計高度(-) 500m

【12:31】登山口
【13:06】名もなき橋
【13:10】芦谷隧道
【14:02】明治百年記念造林事業碑
【14:05】わさび田跡

アクセスの良さ
登山道整備度
急登度
秘境度
眺望の良さ
古道に思いを馳せる
わさびの楽園
※ 上記の評価は自分の独断と偏見によるものです。山の魅力を表すものではありません。

駐車場情報

芦谷川入口の林道沿いに数台駐車できます。

山頂を目指す道ではありません。昔人が通ったであろう道を思い偲び歩く道でしょうか。